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丸紅、米エクソンモービルのテキサス州低炭素水素・アンモニア製造プロジェクトに参画

出版物名
ジェトロビジネス短信
作成日/開催日
2025/5/15

丸紅とエクソンモービル(本社:テキサス州スプリング)は5月8日、エクソンがテキサス州ベイタウンの同社精製・石油化学施設で進めている低炭素・アンモニア製造プロジェクトへの丸紅の出資参画と、同プロジェクトで生産する低炭素アンモニアの長期引き取りに係る契約締結を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、両社は新エネルギー事業分野でさらなる協力を目指す覚書も締結したと発表した。

このプロジェクトは、製造時に排出される二酸化炭素(CO2)の約98%を回収し、稼働開始時には世界最大規模となる年間約90万トンのブルー水素、年間約100万トンのブルーアンモニアの生産を予定している。エクソンは、政府の継続的な支援と必要な規制当局の許可が得られれば、2025年後半にプロジェクトの最終投資決定を行う予定としている。

エクソンは丸紅にこのプロジェクトで生産した低炭素アンモニア約25万トンを供給し、丸紅は、神戸製鋼所の子会社コベルコパワー神戸が所有・運営する神戸発電所など、日本の需要家向けに供給することを計画している。コベルコパワー神戸は2030年度までに神戸発電所で既存燃料との20%の混焼を開始し、CO2排出量を削減することを計画している。

エクソンは同プロジェクトに関し、ほかの日本企業とも協力関係を構築している。2024年3月にはJERAとの間で、プロジェクトへのJERAの参画と日本国内向け低炭素アンモニア供給についての共同検討に関する契約を締結した。2024年9月には三菱商事との間で、プロジェクトへの三菱商事の参画と日本国内向け低炭素アンモニア供給についての共同検討に関する契約を締結した。

エクソンはまた2025年1月に、米肥料・石油化学商社のトラモ(本社:ニューヨーク州ニューヨーク)との間で、このプロジェクトで生産する低炭素アンモニアの長期供給に向けた協議を進めるための基本合意書を締結外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

(深石晃)

(米国、日本)