デンマーク海運大手A.P. モラー・マースクは、7-9月期の純利益を5億2100万ドルと発表した。前年同期の純利益は、新型コロナ禍後の景気回復に伴って88億7900万ユーロと記録的な水準に達していたが、これに比べて大幅な減益となった。売上高は47％減の121億3000万ドルを計上した。世界的な貿易の減速、アジア・欧州間などにおける運賃率の低下などが業績を圧迫した。中核事業である海運（オーシャン）部門の売上高は79億ドルと、前年同期の180億ドルから大幅に低下した。

A.P. モラー・マースクは2023年1-9月にすでに6500人を削減しているが、大幅減益を受けて、3500人の追加削減を発表した。このうち2500人は今後数ヵ月の間に、残りの1000人は2024年中に削減する。2023年初頭時点での世界での従業員数は11万人となっていたが、これを10万人未満にまで引き下げる。このほか、2024年に計画していた自社株買いの見直し、2023-24年にかけての投資予定額削減も検討する。

市場は同社の発表を嫌気して、コペンハーゲン証券取引市場における同社株価は11.5％低下した。

出典：

Les Echos, “Transport maritime : Maersk pique du nez et supprime plus de postes que prévu”.

https://www.lesechos.fr/industrie-services/tourisme-transport/transport-maritime-maersk-pique-du-nez-et-supprime-plus-de-postes-que-prevu-2026647

Le Figaro, “Les bénéfices du transporteur maritime Maersk divisés par 17, 3500 emplois supprimés”.

https://www.lefigaro.fr/societes/les-benefices-du-transporteur-maritime-maersk-divises-par-17-3500-emplois-supprimes-20231103