Euro maritime Info at a glance

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フランスとノルウェー、CCSで協力へ

出版物名
Euro maritime Info at a glance
号数
4952
作成日/開催日
2023-12-13

フランスとノルウェーの両政府は、来年1月にも二酸化炭素回収・貯留(CCS)に関する二国間合意を締結する。フランスのレスキュール産業担当相は10月末、その準備のためにノルウェーを訪問し、ノルウェーのベストレ産業相と協議したほか、ノルウェーで進められているオフショア二酸化炭素貯留プロジェクト「Northern Lights」を訪問した。フランスは、国内で発生した二酸化炭素をノルウェーに輸出し、「Northern Lights」に貯留することを計画している。このためには、廃棄物の投棄による海洋汚染の防止に関するロンドン議定書に従って二国間合意の締結が必要となる。また、この機会にCCSの産業面での協力合意も交わされる見込み。

「Northern Lights」は、石油大手のエクイノール、トタルエネルジー、シェルが運営しており、まもなく最終投資決定が下される見込み。2024年から年間150万トン、2026年からは年間500万トンの二酸化炭素貯留を予定している。また年間1200万トンへの貯留能力拡張も計画されている。第1フェーズにおいてはすでに、肥料大手YARA(ノルウェー)とデンマークのエネルギー大手オーステッドが貯留契約を交わしている。第2フェーズに関しては、トタルエネルジーのほか、Lhoist(ベルギー・石灰製造大手)などが関心を示している。

なお、仏政府は二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)戦略を年内に発表する予定。政府は、CCUSについて、石灰、セメント、鉄鋼など脱炭素化ソリューションが限られている分野に特化した技術と位置付けている。現在のところ、ダンケルク(ノール県)、ルアーブル(セーヌマリティム県)、サンナゼール(ロワールアトランティック県)、フォスシュルメール(ブーシュデュローヌ県)における排出量の多い大企業による利用が想定されている。ただし、二酸化炭素の輸出は高価であるため、ピレネー山脈近隣の旧ガス田における貯留など、国内での貯留も検討されている。

 

出典:

Les Echos, ” Captage et stockage de carbone: la France élabore sa stratégie”

https://www.lesechos.fr/industrie-services/energie-environnement/comment-la-france-sinspire-de-la-norvege-pour-capter-et-stocker-le-carbone-2026332