ティッセンクルップとウィルヘルムセン、船舶交換部品の3Dプリント製造手配で協業
- 出版物名
- Euro maritime Info at a glance
- 号数
- 4950
- 作成日/開催日
- 2023-11-28
ドイツの産業大手ティッセンクルップはこのほど、ノルウェーの海事業大手ウィルヘルムセンとの協業で、船舶向けの交換部品の製造を手配する合弁事業「Pelagus 3D」を開始した。3Dプリント技術を用いて、短い納期で交換部品を需要家に届けるサービスを提供する。
両社はこのため、合弁会社「Pelagus 3D」を折半出資で設立した。その本社はシンガポールに置かれる。シンガポールには、ティッセンクルップの技術センターがあり、ティッセンクルップは、ドイツ国内のセンターともあわせて、造船向けやその他の産業向けに培った金属積層造形の技術と能力を合弁に持ち寄る。ウィルヘルムセンは、海事分野の技術力と、船隊管理の需要に関する深い経験を活かして、各種の船舶への幅広い製品やサービスの供給で協力する。
事業の中核を構成するのが、ティッセンクルップが開発したデジタル・プラットフォーム「ティッセンクルップ・マテリアルズ・サービス」で、操船者など顧客はこのプラットフォームを通じて、プラットフォームに参加する世界のパートナー企業にオーダーメイドの部品の製造を委託できる。3Dプリントにより少量の部品を迅速に製作できる。地理的に最も近いパートナー企業を選ぶことで、輸送時間を最小化することもできる。
ティッセンクルップの責任者は、コロナ禍以来で強靭で柔軟なサプライチェーンの重要性が一段と強く認識されるに至っているとし、この協業により、交換部品の迅速な供給を可能にすることで、船舶を運用可能な状態に保ち、海運による商品輸送の動きを止めないことに貢献できると説明した。
出典:
Wilhelmsen, “thyssenkrupp and Wilhelmsen collaborate on new 3D printing joint venture – Pelagus 3D”, News release.
https://www.wilhelmsen.com/media-news-and-events/news/2023/thyssenkrupp-and-wilhelmsen-collaborate-on-new-3d-printing-joint-venture—pelagus-3d/
Offshore Energy biz, “thyssenkrupp, Wilhelmsen partner on 3D printing for shipping industry”.
Maritime Executive, “Wilhelmsen and Thyssenkrupp Set Up 3D-Printed Parts Business”.
https://www.maritime-executive.com/article/wilhelmsen-and-thyssenkrupp-set-up-3d-printed-parts-business/