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フィンカンティエリ、シチリア向けにデュアルフューエルRoPaxフェリーを建造

出版物名
Euro maritime Info at a glance
号数
4947
作成日/開催日
2023-1128

イタリアの造船会社フィンカンティエリは、シチリア州で運航される液化天然ガス(LNG)デュアルフューエルRoPaxフェリーの建造契約に調印した。

フェリーは全長約140メートル、総トン数約1万4500トン、最高速度19ノットで、1000人と車200台を収容できる。ディーゼルとLNGを燃料とするデュアルフューエルエンジンを搭載し、窒素酸化物と硫黄の排出量を大幅に削減する。また、太陽光発電システムを搭載しており、バッテリーパックにエネルギーを貯蔵して約4時間ゼロエミッションで港に停泊できる。その一方、石油プラットフォームで使用されているような安定化装備を擁し、悪天候の中でも停泊が可能。

同フェリーは全面的にシチリアのパレルモ造船所で建造される。引き渡しは2026年を予定し、シチリア島、ランペドゥーザ島、パンテッレーリア島を結ぶ航路で就航する。

背景には地域交通の拡充を目指すイタリア政府の新政策があり、同フェリーはこの公共交通拡充政策に伴う新法のもとで融資を受ける最初の船となる。シチリア州知事は調印に際し、同フェリーが「メイド・イン・シチリア」であり、「小さな島々との繋がりに転機をもたらす」と語った。

フィンカンティエリのピエロベルト・フォルジェロCEOは、今回のフェリー受注は同社にとって大きな試練であり、現在はアジア中心となる造船事業をイタリアへと回帰させる機会とした。また、フィンカンティエリのプロジェクトの強みは、環境負荷を低減し、エネルギー転換の必要性に応える技術であり、これらの技術は将来の海上輸送部門を方向付けるものと位置付けた。

出典:

Offshore Energy biz, “Fincantieri to build LNG dual-fuel RoPax ferry for Sicilian Region”.

https://www.offshore-energy.biz/fincantieri-to-build-lng-dual-fuel-ropax-ferry-for-sicilian-region/

 

Maritime Executive, “Fincantieri to Build LNG and Battery Powered Ferry in Sicily”.

https://www.maritime-executive.com/article/fincantieri-to-build-lng-and-battery-powered-ferry-in-sicily