エアバス、仏LDAに風力推進RORO船の導入を依頼
- 出版物名
- Euro maritime Info at a glance
- 号数
- 4945
- 作成日/開催日
- 2023-11-28
航空機大手エアバスは、仏船会社のLDA(ルイドレフュス・アルマトゥール)に依頼して、航空機部材の輸送に用いるRORO船3隻を導入することを決めた。風力推進を採用し、二酸化炭素排出量の削減を進める。
LDAが3隻の新造船を所有し、エアバスから契約を得て操船する。2026年からの就役開始を予定する。新造船はフレットナー・ローター6基を備え、風力推進を活用する。ディーゼル燃料とeメタノールを使用できる二元燃料エンジンも搭載される。航路最適化のソフトウェアにより、風力利用を最大化し、最も効率のよい形で操船できるようになる。建造を委託する造船所との交渉が現在進行中であるという。
新造船3隻はフランスを旗国とし、大西洋航路に就航する。ナローボディ旅客機A320シリーズの大型部材を仏サンナゼール港から米国まで輸送。米アラバマ州モービルにあるエアバスの工場に納入される。新造船への切り替えにより、太平洋航路の年間排出量は、現在の6万8000トンが、2030年には3万3000トンまで減る見込み。エアバスは、自社の製造事業に関係する排出量を、2015年比で2030年までに63%削減することを目標に掲げており、新造船はこの目標達成への貢献が期待されている。新造船は、40フィートコンテナが70体程度、大型部材(翼、胴体、尾翼、垂直翼など)を6体輸送可能で、現行船隊(大型部材が3-4体まで)と比べて輸送力も増強される。
LDAは、エアバスから請け負った輸送事業において、bound4blue社が開発した風力利用のカイトシステム「eSail」を、太平洋航路に就航のRORO船「Ville de Bordeaux」に採用している。3隻の新造船の段階的な就役に伴い、Ville de Bordeauxは地中海航路に配置され、運用が継続される。
出典:
LDA, ” Louis Dreyfus Armateurs selected by Airbus to build, own and operate low-emission vessels”, News release.
https://www.lda.fr/en/lda-selected-by-airbus-to-build-own-and-operate-low-emission-vessels/
Offshore Energy biz, ” Louis Dreyfus Armateurs to build three wind-assisted RoRos for Airbus”.
Louis Dreyfus Armateurs to build three wind-assisted RoRos for Airbus
Maritime Executive, ” Airbus and Louis Dreyfus Will Build Low Emission Dual-Fuel and Wind Ro-Ros”.
https://www.maritime-executive.com/article/airbus-and-louis-dreyfus-will-build-low-emission-dual-fuel-and-wind-ro-ros